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今夜の番組チェック


これは「マシンガン」じゃねえ!!

よく、アクション物でピストルを持った主人王に対し、小型のバリバリ連射できる銃を持った
ザコ敵が出てくるな、ギャング風の。アニメの「スカイヤーズ5」とか・・・え?古い?
まあそれはおいといて、あれを素人は「マシンガン」と呼びたがるがそうじゃねえ!
「サブマシンガン(短機関銃)かマシンピストル(機関短銃)」だ!!

マシンガン(機関銃)というのは、ライフルやそれ以上の大きさの弾丸を連射する、中・長距離の敵を
制圧する「遠距離ショットガン」とでもいうべき支援火器だ。二脚(バイポッド)や三脚(トライポッド)が
付き、安定した射撃ができる。「軽機関銃」「重機関銃」などに分類できるが、それについてはいずれ。

では、「短機関銃」とは何か?・・・「接近戦用の、小型の弾丸を連射できる銃」であるッ!
いや、実はこの定義に当てはまらぬものもあるのだが、ほとんどは拳銃弾を使っている。
拳銃/短銃(ピストル)の弾丸は、小銃(ライフル)の弾より小さく、射程も貫通力も劣っている。
(そうでなけりゃ、片手で撃てない)もし、小型の軽い銃で小銃弾を連射したら、反動でふりまわされ
まるでコントロールできんのだ!その反動に耐えるため、銃自体も頑丈で重くしないとな。
(映画『攻殻機動隊』で、強装弾=発射のための火薬を通常より増やした弾丸=マグナムを使った
ため『フレーム、ガタガタ』になる描写がある)したがって、近くの敵に対し、銃をコントロールしやすい
拳銃弾をバラまいて制圧する、特に室内や塹壕といった狭いところでの使用に向いた火器なのだ。
逆に砂漠や草原といった見通しのいいところでは、小銃に対して不利になるな。そもそも、ほとんどの
サブマシンガンの採用している作動方式「ブローバック」(逆火式)は、構造がシンプルな反面、
弾丸を装填・排莢するために火薬の爆発とバネの力で前後に動く「遊底」(ボルト)の動きの関係で
銃身が(わずかにでも)ブレて、命中精度で劣っているのだ。これが小銃や機関銃だと遊底が
閉まった瞬間(クローズド・ボルト)に発射されるので、命中率はいい。サブマシンガン(の多く)は
「狙って撃つ」ものじゃねえ。弾丸を「一定の範囲にバラ撒く」ための武器で、数十メートル以内の
敵に対してのみ有効なのだ。それでも、ドラマと違いピストルなんかには決して負ける物ではない。

ただし、先述のように例外はある。突撃銃(アサルトライフル)を切り詰めたり、縮小したタイプの
サブマシンガンだ。前者はM16系のXM177など、後者はG3のスケールダウン版であるMP5。
前者は弾丸自体、ライフルと同じ・・・といっても、それまでのライフルとは異なる小口径高速弾
を用いている。それ以前の標準である7.62mm級に比べ射程も威力も劣るが、反動が小さく
近距離の戦闘での命中率が良く、拳銃弾より圧倒的に貫通力が高い(普通のいわゆる防弾チョッキ
など、軽く撃ち抜くのが特徴。)後者は基本構造は同じだが、拳銃弾を使うように小型化されている。
(実は、G3をそのまま切り詰めた7.62mm弾を使う『サブマシンガン』タイプ(本当はカービン銃らしい)も
あるが、絶対制御
できねえだろうなあ、並みの人間には)ガス圧作動式はブローバック式より一発一発の
命中率が
いいが構造的に複雑で高価なため、軍用としては特殊部隊のみが使用、むしろ警察の
SWATや
対テロ部隊の主装備となっている。(高速弾では、犯人を打ち抜いて人質に当たるから)

実戦使用された短機関銃の元祖は、第一次大戦末期に登場したドイツのベルグマンMP18であるッ!
(拳銃弾をフルオートで撃つ火器なら、イタリア製の航空機用小型機銃の方が先だが、これは用法が
全然サブマシンガンではないので無視)膠着した塹壕戦を打破すべく、大量の手榴弾を投げまくり、
拳銃弾をばら撒いて突撃する部隊で運用され、成果をあげた。ただ、この当時や第二次大戦直前
の短機関銃の大半は、小銃同様金属の塊から旋盤工が削りだした精度の高い高級品で、形も短い
小銃型・・・この古い形式を脱した最初の物が、やはりドイツのエルマMP38(『シュマイザー』という
この銃の設計にかかわっていない有名設計者の名前で、間違って呼ばれていた)。折りたたみ式の
金属製ショルダーストック、拳銃型のグリップ(握り)、前方のグリップを兼ねる弾倉など、近代型
サブマシンガンの原型であり、この後に安全性の改良とコストダウンを図ったMP40が大量配備された。
これに対しドイツに攻められ苦戦中の各国は、より低コストで簡単に、技術力の低い工場でも
大量生産できる火器として、新型の消耗品のような安物サブマシンガンを開発。イギリスのステン
ソ連のPPs42/43、アメリカのM3がそれで、
プレス加工の多用によるいかにも安物な外見ながら
それなりに信頼性があり、大戦を乗り切るために大いに役にたったのだ。このような第二世代
サブマシンガンたちは簡易化と大量生産により、拳銃などよりずっと価格が低いのが特徴だ。

もう一つ、近年登場した短機関銃風の火器として、FN-P90のような新種のPDW(個人用防御兵器)
がある。これは、戦車兵やパイロット、輜重兵や無線兵、憲兵、コックといった普段小銃を使わない
兵科のための自衛用火器で、かつてはカービン銃(騎兵銃)や短機関銃が使われていたが、
前者はかさばり、後者は命中精度とボディアーマーに対する貫通力に劣るため、打撃力は低いが
貫通力があり、命中精度も高い専用の弾薬を用いる新型火器だ。しかし、ペルーの日本大使館占拠事件
の時にこれを持ってる者が確認できるが、これはメーカーが宣伝用に一丁送ってくれたらしいな。とすると、
実際は特殊部隊用の新世代攻撃用サブマシンガンとして配備されることも狙っての開発だったのでは?
互換性のない新型の弾丸をわざわざ開発してるし、二線級装備専用にしては贅沢すぎる。

このほか、ピストル(自動拳銃)に連射機能を加えたマシンピストル(機関拳銃)がある。そもそも、
セミオートマチック(半自動=引き金を引くごとに一発ずつ弾が出る)というのはフルオートマチック
(全自動=引き金を引いている間は、弾が出続ける)にならないようにコントロールしているもので、
簡単な改造でフルオートになってしまうものなのだ。しかし、片手で持って使う小さな拳銃で
フルオートなんて、やはり制御できるものではなく、オプションでショルダーストックを装備するのが
望ましい。古くは19世紀末に出現したマウザー自動拳銃のスペイン製デッドコピー・アストラが
機関拳銃化されたため、本家のマウザーでも対抗してM712のような全自動切り替え可能な型が
作られ、銃不足のナチスの親衛隊でも対パルチザン戦任務を行う治安部隊に配備されていた。
戦後だと、対テロ部隊用のベレッタM93Rや、大戦中の簡易な「国民拳銃」の発展型である
H&K VP70(フルオートではなく、3発ずつ発射する3点バースト射撃)があるが一般的ではなく、
むしろスコーピオンイングラムM11といった超小型サブマシンガンの方がよく用いられている。

このように、この種の火器は目的によって性能や価格に大きな差がある。まとめると

1.拳銃弾を使う安価な接近戦用/自衛用火器
2.特殊部隊の用いる、精度の高い小型火器
3.拳銃を自動化した、治安部隊用火器

に大別できる・・・が、前述のとおり、それぞれの中間にある物もあり、ややこしいな。
しかし、どれも基本は「接近戦専用」、これにつきる!まちがっても、200m向こうのライフルを
持った敵に対し、これで狙い撃ちして勝つ、なんて描写はしないこと!以上ッ!





外見のハッタリは満点!その実力は?

戦車が出現したのは第一次世界大戦の後半。そもそもは戦線を膠着させる原因となった機関銃の射撃に耐え、
塹壕を乗り越えるための突破兵器
だったのだ。したがって、その二つの機能に特化しており、大きさと
当時使えるエンジンの出力の問題で、装甲は薄かった。まだ「対戦車砲」なんて物はなかった・・・戦車が無かった
んだから当然だが、野砲を水平射撃して榴弾で破壊したり、小銃で近距離から軽装甲を撃ちぬける徹甲弾
(鉛弾の中心に鋼鉄の芯入り)を撃ち込んだり・・・そして、これをそのままスケールアップした「対戦車銃」が登場した。

マウザーM1918("モーゼル"は、日本での間違った発音)、本当にそのまま拡大・・・銃剣こそ付かないものの、
主力歩兵銃マウザーM1898が巨大になり、機関銃用のバイポッド(二脚)を付けた口径13mm、重さ16kgの
ボルトアクションライフルである。反動が強烈なので銃自体も重く頑丈、「一発目で右肩、二発目で左肩が壊れるので、
二発しか撃てない」とまで言われた強烈な反動で、きちんと銃床を肩にあてて構えないと骨折や脱臼間違いなしだッ!

第一次大戦後も、多くの国では戦車の任務は歩兵を支援しての機関銃陣地潰しだった上、軍縮で予算が
削られたこともあり、装甲の発達もごく一部の戦車を除きたいしたことは無く、各国は7.92mm〜20mmクラスの
「対戦車銃」を開発、歩兵部隊の自衛用に配備された。(7.92mmというと歩兵銃と口径こそ同じだが、弾頭の全長が長く
薬莢ははるかにデカく、全くの別物だ。)見た目は小銃型から軽機関銃を細長〜く伸ばした感じに変わった。
これらの装甲貫通力は銃にもよるが、だいたい200mで90度の角度で命中して15〜30mm程度は確実。当時の
戦車の多くの側面装甲を撃ち抜いて、内部を跳ね回り乗員を殺傷できる威力だ。(もちろん、戦車より装甲の薄い
装輪装甲車や自走砲、土嚢を積み上げた機関銃陣地などにも有効だ。)ところが、戦車同士が大砲で撃ちあう
ようになり、巨大化・重装甲化の恐竜的進化をとげ、もはや対戦車銃ごときでの主力戦車の完全撃破は望めなく
なったのである!これに加えバズーカの類が出現、はるかに高い装甲貫通力を示し、とって代わられることに。
(そもそも、全長が2M前後で重さが15〜20kg、骨折しかねない強烈な発射反動がある無茶な兵器なのだ。)

ただし、ソ連軍などはバズーカの類を大戦中に実用化できなかった(開発してみたが、弾道が不安定で失敗)ため、
最期まで14.5mm口径の対戦車ライフルを使用し続けた。一つは単発でシンプルなデグチャレフPTRD1941、そして
「ルパン三世・カリオストロの城」で次元が持ち出したシモノフPTRS1941。アニメ映画では人間を後ろに吹っ飛ばして
いたが、本当なら二つにちぎれて内臓撒き散らすことになる。そこは娯楽アニメの演出なので間違えないように。
実際、見張りのためハッチから身を乗り出すことの多いドイツ軍戦車長への狙撃や、防弾ガラスの貼られた覗き窓の
細いスリット(隙間)をピンポイントで狙い打ったり、という使い方もされた。14.5mmの前には防弾ガラスなど敵ではなく、
こんなものを喰らったら頭は吹き飛ぶは腕は千切れるわ、旧式で使い勝手の悪さの反面、恐ろしい威力を示したため、
初期のドイツ戦車に多く付けられていたスリットは正面の操縦手用以外は全て溶接でふさがれてしまい、新型には
付かなくなった。(直視型ではない、潜望鏡型=ペリスコープに変更)ベトナム戦争でも米軍へのヘリコプターに
対する狙撃が行われたという。これは余談だが、戦争が終わり14.5mm対戦車ライフルはRPG対戦車無反動砲
/ロケットランチャーの登場で用済みとなったが、あまりにも多くの専用弾薬の備蓄がありこれをもったいないと
思ったのか、新たに同口径の機関砲が車輌搭載用・対空用に開発され、現在も使われ続けている。

他国の20mm級の大型対戦車ライフルの中には改造されて、フルオートの機関砲に進化したものもある。
そもそも、セミオートというのはフルオートにならぬよう制御した結果なので、出来ても不思議ではない。
ドイツ軍も少数使った、スイスのゾロータンS18-1000(もはや銃でなく、砲である)がFLAK30に進化したり、
フィンランドのラティm/39(『ジオブリーダーズ』に登場)が対空用に改造されたり、また捕獲されてソ連で
スケールダウン化され、戦闘機用の12.7mm機銃になったり、等。しかし、20mmクラスは重量が50kg前後!
一人で持ち運ぶのはどう見ても無理があり、その威力に比べ遣い勝手が悪すぎる。しかし、見た目のハッタリだけは
ものすごく、ターミネーターみたいなのが抱えてフルオートで射撃したら、さぞものすごい絵になりそうだな(笑)。
なお日本軍も97式自動砲という20mm対戦車銃を使っていた。S-18-1000に影響を受けた・・・という実銃解説が
あったが、むしろオチキス25mm機関砲のデザインに似ているがなあ?(追記:マニュアルを紹介したサイト

そんなワケで、「絵」としてはたまらん大迫力ながら、実用兵器としては消えていった対戦車ライフル・・・
しかし、これは戦後40年ほど経ってから、名前と姿を変えてよみがえったのであるッ!
次回はそれ、「アンチマテリアルライフル/対物狙撃銃」について語るッ!