| 人間、いや多くの動物にとって共
通の恐怖・・・「炎」!、まとわりつき焼き尽くす、苦痛に満ちた死を
放出する恐怖の兵器・・・ 火炎放射器 こいつは基本的に油に点火したものを高圧で吹き付けるものであり、10世紀の中国では猛火油櫃なる手動ポンプによる火炎 放射器があり、意外と歴史ある兵器である。これが現在のような、背負い式のタンクのスタイルになったのはいろんな大量殺戮 兵器が登場した第一次大戦から。古いタイプだと、台車にボンベが載ってゴロゴロ転がしていく物もあったが、泥だらけの西部 戦線の塹壕戦では不便だったのか、現代に至るまでの標準的な背負いボンベ式スタイルが完成。 ![]() 左からアメリカ・日本・ドイツ軍の代表的火炎放射器・・・見
てのとおり、ゲル化ガソリンとそれを噴射するための窒素ガスの
ボンベで構成され、どれも似たような作りである。もっとも日本軍とドイツ軍の場合、ガソリンに点火するための点火装置が、 初期の水素ガス点火/または電熱線水素ガス点火装置から、拳銃弾の空砲による着火という方式に変わっているが。これは、 厳冬の満州やロシアでは前の方式では着火が不確実だったから。もっとも、これと電熱線着火方式だと最初にガソリンだけ 放出、後から着火して火炎を放射・・・という使い方はできなくなった。これら背負い式より小型のドイツ軍降下猟兵(空挺部 隊) 用の小型の物があり、これは家庭用消火器みたいな形と大きさで、先の部分に引き金と放射口付き。前後の留め金部分に ベルトを通し、肩から担いで小脇にはさんだ構えで使用。このため大変コンパクトで軽量だが、いかんせん燃料が少ししか入ら ないので、2〜3回噴射で終了。(通常型は1秒噴射で10回ほど)このほか、ワイヤー式のトラップとして作動するもっと小型の タイプやら、昔のように台車に載せ牽くタイプなど、ドイツ軍はいろいろな方式に挑戦していたな。 さて、燃料であるゲル化ガソリンは、タールやラテックスを溶かしこんてどろ〜りとさせた物。目標にまとわりついて焼き尽く す、 大変やっかいなシロモノだ。(後のガソリンとパーム油を混ぜたナパームを思わせる特性)たとえ致命傷でなくとも火傷による 苦痛は大きく、また死に至る時間も銃砲弾に比べ長いため、敵に使われると大変やっかいな兵器だ。このため火炎放射器を 扱う歩兵や、火炎放射戦車の乗員は恐怖と憎しみから捕らえられてもその場で殺される事も多かったという。 ![]() M4シャーマン火炎放射戦車からの放射。炎の中心の黒 い筋がゲル化したガソリン。 はどんな大型のものでも、30メートル程の射程しか持たないため、味方の援護のもと接近しなくてはならない。何故か?それは、 放射するのが液体であるからだ!ホースで水を撒く場合を 考えてみればわかるが、遠くに飛ばすために圧力を高めても、空気 抵抗で液体はバラけてしまい、結局有効射程は限られてしまうわけだ。だから、高速で移動する敵車輌、ましてや空を飛ぶ敵機 などには全く役立たない。(輸送船から魚雷攻撃の後に真上を飛びぬける敵機を焼くための放射器、というのをイギリスで考え られたが、そんな一瞬で通り過ぎるものを炙っても無駄なので廃案。)だから、特撮物の怪獣や、「ガンダムW」の「ナタク」こと シェンロン/アルトロンガンダムのそれは演出的な「ハッタリ」であり、全くリアリティはない。(昔のガメラの口からはく炎の射程 不足に対し、平成の新ガメラのプラズマ弾のなんと強力なことか!)また、いくらまとわり付いて焼き尽くすとはいえ、バーナー じゃないので鉄板をドロドロに溶かすなんてこともできない。(間違った例:アニメ版『バオー来訪者』)アルミ粉と酸化鉄混合の テルミット弾なら3000℃の高熱で溶解させることもできるが、ゲル化ガソリンにはムリな注文だ。そんなわけで、リアリティ優先の 作品では威力と射程を考えて使うように。しかし人体に対する攻撃力は大変なもので、ゲル化してるがゆえに消すのも大変。 また、ボンベに被弾すると使ってる者が火達磨になってしまい大変危険。(ドイツ軍の場合、バイク兵用ゴムびきロングコートと ガスマスク、手袋で熱から身を守る)映画「ウィンドトーカーズ」でもそんな事態が発生、助かりっこない火炎放射係を主人公が 安楽死させるため射殺する描写がある。そんなわけで、悲惨な結果をもたらすゆえに悪役向けの兵器であるなあ、火炎放射器。 (ちなみに「エイリアン」など映画に出てくる架空の火炎放射器は、取り扱いの安全性の問題か明らかにガスを使っている) |

| 魚雷・・・というのは「魚形水雷」の略である。「水雷」ってのは「地雷」が地面で使うのに対し、文字通り水中や水上で
使うもの。 「魚形」以外の「水雷」もあるわけで、「機械水雷」(機雷)「外装水雷」(水雷艇の艇首に突き出された棒の先に付けられた、特攻 まがいのタイプ)など。もっとも、後者は露土戦争以来使われて ないので死語に等しい。 さて「魚雷」、19世紀末には実際に運用されていたが、当時は「冷走魚雷」といわれる、圧縮空気を噴出してスクリューを回す シンプルなもので、当然射程も速度も出ず、破壊力はまだしも航行中の敵にたいする命中精度は低いものだった。そのうち、 「熱走魚雷」という空気や酸素を燃やしてエンジンを動かし、スクリューを回すタイプのものに移行。さらに電動モーター式も出現。 また、近年ではスクリューをもたないロケット推進の魚雷まである。(有線誘導されるので、ロケット弾には分類されない)アニメ 「タイドライン・ブルー」に登場する魏の国の潜水艦も使用したロシア製「シクヴァル」がそれで、ロケット噴流の一部を前方に放出 して泡(キャビテーション)を発生、この中を突き進むことで通常の水中より小さな抵抗で高速突進するのであるッ!その速度、 実に200ノット!現代の普通の4倍近いメチャクチャな速さで、やかましいので自分で敵を音波探知できないから、潜水艦からの 有線誘導でないとコントロールできない。しかし、この速度だと不発でも運動エネルギーだけでもえらい破壊力がありそうだ。 魚雷が普通の砲弾に比べて勝るのは、その圧倒的破壊力!砲弾に比べ内装された爆薬の量がはるかに多く、しかも喫水線の 下に命中するから穴が開けば水が流れ込んできて、沈没させる確率は砲弾や爆弾より高いのだ。たとえ直撃しなくても、爆圧が 水を伝ってものすごい圧力で押し寄せるので、船体に深刻なダメージを与えるのだ。(実際、第二次大戦の途中から直撃式の 触発信管から、至近距離で爆発する磁気信管に代わっていった)米軍のMk48 ADCAP(アドキャップ=advanced capability 能力向上型)など、「敵の真下で爆発、竜骨をへし折る」なんてことをインタ ビューで潜水艦の乗員が言ってたな。ただ、「サブマ リン707」(原作漫画)や「沈黙の艦隊」で、不発の魚雷が船の腹に突き刺さって止まる描写があったが、強度的にどうだろうか? 「707」の方は非装甲の輸送船なので、高速で突っ込んできた魚雷が薄い外板を突き破る可能性もあるかもしらんが、魚雷事体 先がグシャグシャにつぶれるよなあ、どう考えても。ちなみに、船体に対して浅い角度で命中した魚雷は、触発式の場合信管が 作動せず弾かれて不発に終わることもある。 ところで、実際の話 水中の潜水艦が魚雷で沈められたケースは歴史上一件しかない! しかも、この時は沈められたUボートがシュノーケル航行中で、水上に出ている管で位置が視認できていたのである。つまり、 「水中の見えない潜水艦」を魚雷で沈めたケースは未だに(少なくとも公式には)無いのである!誘導式の魚雷が一般化した 第二次大戦後、潜水艦保有国同士が本格的な戦争をやっていないから当然か。水中という三次元空間で、見えない水中の 潜水艦に無誘導の魚雷を直撃させるのはほぼ不可能・・・なんだけど映画とかアニメではさんざんやってるなあ(笑)。初期の パッシブ型音響魚雷(敵の発する音をキャッチして目標に向かう)の場合、発射する側も機関停止してないと魚雷が反転して くるから機動しながらの水中戦闘なんて不可能。これは後に改良され、自艦から離れてから音響受信を始めたり、敵の音紋 を入力して特定したり、自らソナー(音波探信装置)を持ち、敵を捜索するようハイテク化されていった。魚雷ってのは大戦中の 無誘導おものですら、「一発で家が一件建つ」なんて言われるほど高価で、演習の時は火薬を抜いてあとから回収していた くらいだから、現代のハイテク魚雷などはミサイル同様、おそろしく高価なんだろうなあ。 (更新中) |