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いわゆるバズーカ入門なのだッ!!(基礎編)

最初に言っておくが、いまどき
「バズーカ」を使ってる国 など無い!!

なぜなら、「バズーカ」とは第二次大戦や朝鮮戦争で活躍した米軍の携 帯式ロケットランチャー
またはこれに類する火器のあだ名であり固有名詞なので、いまどきそ んな旧式兵器を第一線に
配備している国などないからだッ!(いくら貧しい国でも普通、ロシ アか中国製のRPG-7系を使う)
ちなみに、名前は当時のアメリカのコメディアンの自作したオリジナ ル楽器から流用。

そう、「バズーカ」というのは一般に「人が肩に担ぐ大砲」と認識されているが、そりゃ家庭用
ゲーム機全てを「ファミコン」と呼んだり、コンビニ全てを「セブン イレブン」と呼ぶのに等しい。
(ちなみに「バルカン砲」というのはもっと間違った認識のされ方だ が、それは別の授業で)

では「バズーカ」の定義とは何か?と言う と、
「肩に担いで構える、無誘 導ロケット弾を発射する機能のある鉄パイプ」なのであるッ!
本体のパイプには簡単な照準器と引き金、ロケット弾を点火するため の電源
(バッテリーや簡単な発電装置・・・筒状のコイルの中に、棒磁石が 突っ込まれるだけ)
が付いただけの、まことにシンプルかつ低コストの代物。ロケット弾 =噴進弾をまっすぐ
飛ばすためのガイドでしかないのであるッ!ちなみにそのロケット 弾、前回語った
ホローチャージ弾頭(HEAT弾)で、弾のスピードや目標までの距 離とは関係なく
均一な貫通力を持っているのだ。だから、対戦車ミサイルやらロケッ トやら無反動砲
といった、通常の大砲に比べ弾速の遅い兵器ではほとんどがこの方式 なのであるッ!

ちなみに敵に向かって追尾する物は「噴進弾=ロケット弾」でなく「誘導弾=ミサイル」
なので間違えないように!アニメキャラが肩に担いで撃ちまくるアレ は「バズーカ風の
ミサイルランチャー(誘導弾発射機)」なのだ。覚えておくよう に。

もう一つ、「無反動砲」とは何か?と言えば
「作用・反作用の原理を応 用して発射時の反動を相殺した大砲」であるッ!
無反動砲の中には小型で肩に担いで発射できるバズーカ風の物もあ り、弾頭も
同じHEAT弾だが、原理は根本的に違う!ロケット弾が
固形燃料を燃焼しつつ、尻から火と白煙を噴いて加速しながら 飛んでいく
のに対し、無反動砲の弾丸は
砲弾が前方にとび出す力と同じ力を後方にとび出させて反動を 相殺、
自らに推進力はないので加速はせず、むしろ空気抵抗で次第に 減速
する物なのだッ!
だから、発射機ラ ンチャー」「ガンというように名前も違ってくるのだ。

ところで、どうやって反動を相殺するかと言えば
1・砲弾と同じ質量のバラストを後方に発射
2・砲弾を飛ばす力に匹敵する発射ガスを後方に噴射
の2方式である。1は古くは第1次大戦のころ、鉛粒入りのワックス の塊(砲弾と同重量)
をバラストに使ったり、現代のドイツ軍や自衛隊が使用しているパンツァーファウスト3のように、
発射するとプラスチックのカウンターマスや、傘の骨状のエアブレー キが開くバラストを使う物がある。
この方式だと射手の位置を暴露してしまう爆風が小さい利点があるの だ。2は第二次大戦から現代
までの大半の無反動砲で使われた方式で、高速で噴出すガスが反動を 相殺している。前者よりは
シンプルだが前述の爆風の件や、装薬(発射に使う火薬)を無駄に多 く使っているのが欠点。


自衛隊のジープに搭載した106mm無反動砲。(本当は105mm口径だが、
同口径の旧型との区別のため106mmとされる)前と後ろに同じくらいの
爆炎が噴出すのがよくわかる。敵に位置が一発でバレるのも道理だ。

ロケット弾と勘違いされやすいのが、旧ドイツ軍のパンツァーファウスト30/60/100各型。
オタマジャクシのような形の、史上初の使い捨て型対戦車携帯無反動 砲。(注)
各型の名前の数字は射程を意味する。(最初の「30」なぞあまりに 短く、使う者にはさぞ
根性が必要だったろう。)形の面白さでよく漫画に出てくるが、ドイ ツの敗戦で生産が
終わっているので、戦後は見られない兵器だ。なお、使い方は「ドラ ゴンボール」で
ヤムチャが初登場時に近距離での照準サイトを使わない肩撃ち(普通 は脇に挟む)
をやっているので参考に。小林源文劇画にもしょっちゅう出てくる が。ただ、形のせいで
たまに棍棒みたいにブンなぐるのにも使われるが、現実にやると暴発 の危険が大きい
(戦時急造で安全装置が不完全な上、威力は大きいがやや不安定な炸 薬を使用)
ので、ハッタリ優先ならまだしもリアルが売りならやめておけ。な お、近距離ならともかく
距離が空くと弾道は直線でなく山なりになるので、命中させるのにコ ツがいる。

ところで、最近の戦争のニュース映像で、特にゲリラが手にしている 携帯兵器、
RPG-7という大ベストセ ラー対戦車兵器があるが、これは
「発射の瞬間は無反動砲、その直後ロケット弾」
とういう、複合タイプである。(分類上はロケットランチャー扱い)
もともとこの兵器、ドイツが大戦中に使ったパンツァーファウスト150の旧ソ連版・
RPG-2携帯無反動砲のさらなる発展型。ロケットを追加して射程 を延ばしているのだ。
対戦車戦闘以外に、機銃座などの拠点潰しにも多用され、HEAT以 外にも対 人用の
破 片効果のある弾頭も用意されている。(先述のパンツァーファウスト3はこれの高級版
+バラスト付きだが、対人用には棒状に突き出たHEATの信管を回 して長さを調整して
爆発を対戦車時の一点集中型でなく、広げるようにすることができ る。)
しかし、それでも有効射程は静止目標で300M、移動目標で 150M。撃った瞬間の
爆風で射手の位置がバレてしまうので、初弾必中でないと反撃で悲惨 なことになる。

もう一つ、この手の兵器には変わった発射方式の物があった。それが「PIAT」
(ピアット/パイアット=プロジェクター、インファントリー、アン チ・タンク・・・の略語)
何でも妙な方式にしたがるイギリス人らしく、なんと強力なスプリン グで弾頭を投射!
しかしスプリングの力だけでなく同時に火薬も使われ、その反動でス プリングが後退して
再び発射位置に・・・なるといいけど失敗したら人力でえらい苦労し てまたセット。
映画「遠すぎた橋」でアーンエム橋の戦闘で使っているのを参照。弾 道はやはり
直進でなく山なり。しかしこの方式は後方爆風が無いので、ロケット や無反動砲と
異なり、発射位置の暴露が無く狭い空間での使用が可能、という利点 がある。もっとも、
こんな方式はPIAT以降無くなってしまったが・・・。異世界での 架空兵器として、
PIAT式の投射兵器を出してみるのも見た目の変化があって面白い かもしれんな。

と、いうわけで「いわゆるバズーカ」=無誘導の携帯対戦車火器には 4タイプ
1・バズーカ型ロケットランチャー
2・パンツァーファウスト型無反動砲
3・RPG-7型無反動砲/ロケット弾複合式
4・PIAT型投射騎
があるのが判ったと思う!この他に普通は三脚に乗せるが肩撃ちもで きる小型の
無反動砲もあるが、純粋な携帯式(歩兵の自衛用)ではないのでここ では省いた。

次回は使用上の注意と威力について語るものであるッ!

(注)これを10倍の大きさにしたものが「ガンダム 0080」「0083」などに登場するジオンの
「シュツルムファウスト」
だが、なぜかロケット弾になってるし、こんなのをモビルスーツに
持たせるメリットが全然ない。
漫画の "HELLSHING"でもロケット弾扱いされてたが、
アニメや漫画はおろか昔のミリタリー関係の書籍でも沢山間違えており、一冊の本の中で
ロケット弾扱いと無反動砲扱いの
ページが両方あるものまで!(担当執筆者が異なる)
なお、RPG-7ような複合式の場合、無反動砲式で数メートル飛ばしたところでロケットに
点火する。巡視船と撃ち合った不審船の映像でも光でハッキリと確認できることであり、
描く時は絶対この描写を忘れないように。中国の射撃ツアーで試した人の話によると、
点火の瞬間、「熱い毛布を押し付けられたような」熱風が射手に吹き付けるとのこと。




いわゆるバズーカ入門なのだッ!!(応用編)

映画や漫画で、狭い機内や車内からバズーカの類をぶっ放す シーンがあるが、
本当にやると死ぬぞ!!

前回述べたとおり、ロケットランチャーも無反動砲も強烈な後方爆風 を噴出すので、最低2mの
空きがないと跳ね返ってきて射手が大火傷だッ!例えば、「ランボー 2」で不時着したヘリの機内
からRPG-7を発砲することは現実には不可能。「ガンダム・第 08MS小隊」で寝転がって真上を
撃つのは現用兵器では無理だが、よく見るとあの火器は後方爆風が出 ていない、未来兵器だな。
いや、もしかしてPIATみたいにバネで打ち出してるのかもしれんなあ(笑)。もしくは圧縮された
ガスの圧力で打ち出し、途中からロケットに点火とか。「ジオブリー ダーズ」では、大型トラックの
コンテナでRPG-7を発射、後ろの奴が吹っ飛ばされ、空いていた 穴から外に落ちるカットがあった。

ネット上で公開されていた某映画の 予告編
より、車内からのRPG−7の発射シーン。
後ろの窓は開いているのだが、発射ガスの
下半分がドアに当たってそうで怖い。
しかも、バックブラストの陰になった車外に
人がいるが、これも角度的に危険である。
当然、バックブラストはCGでの合成だろう。

そう、発射の時後方に人がいた時も大火傷だ!映画「橋」「魔王」の パンツァーファウストでの
描写がある。「ダーティーハリー3」では不注意な女刑事が、後ろか ら覗きこもうとしてあやうく顔が
丸焼けのところをハリーに止められていたな。更に注意が必要なの は、伏せ撃ちの時の自分の脚!
後方爆風の範囲内にあると、脚に火がつきかねん!体をひねって脚を 危険範囲から外さねばならん。
現実に、火器によってそれぞれ後方の危険範囲が設定されており、 90mmバズーカなら後方60度・23m、
カールグスタフ無反動砲なら後方90度・15m、RPG-7な ら後方45度・30mの範囲が立ち入り禁止となる。
パンツァーファウスト3だと、10m後方にカウンターマスが飛ぶ。 (爆風そのものは他よりかなり小さい)

追加情報・・・自衛隊の89式戦闘車の砲塔に付く重MAT(対戦 車・対舟艇誘導弾)の事故では、
バックブラストで肩から先を吹き飛ばされたという、火傷どころではないケースもあるのだ。


もう一つ注意しなくてはいけないのが、砲弾やロケット弾は大抵のも のが安全対策のため、
発射後一定以上の距離を飛行してからでないと信管が作動せず、爆発 しないということだ!
(大戦中のパンツァーファウストなどはそうでもないらしく、おかげ で死亡事故が発生している)
映画「大侵略」で教会の中でバズーカを構える兵に迫る戦車、至近距 離からバズーカを発射!
・・・と、絵的にはカッコいいのだが、現実に爆発しなけりゃ意味が ない。あと、HEAT弾の貫通力は
距離と関係ないので、「ガンダム」でのウッディ大尉の「至近距離か らミサイルを撃ち込めば!」
でズゴックにガシャ〜ン!というシーン・・・全くのムダ死に。演出 上のケレン味は置いといて、
近すぎるのも無意味なのだ。繰り返すが、「リアル」をうたうならそ の辺を忘れないように。

ああ、ガンダムで思い出したが、「メガバズーカランチャー」なんてムチャクチャな造語があったな。
「メガ粒子ビーム発射機」らしいのだが、「バズーカ」が「携帯ロ ケット弾発射機」という意味なので
すでに変だ。まあ、「ビームライフル」よりデカい携帯火器、ってこ とで通称としてバズーカと
呼ぶものとしても「ランチャー」=「発射機」なのだから、これでは「バズーカ発射装置」(笑)!
バ、バズーカそのものを敵 にぶつける兵器なのか〜ッ!(爆笑)

と、いうわけで「いわゆるバズーカ」を作品中でリアルに描きたい場合は、
1・狭い空間では使わない
2・一発撃てば、位置がバレるので一撃必殺(できれば複数同 時攻撃)で!
3・威力と距離は関係ないが、命中率は近いほど良い。でも近 すぎると爆発しない。
という、基本を忘れないように。逆に、新兵がこれを守らず悲惨なこ とに、という描写もできるな。

あと、実際に使う立場になっても、真っ先に敵に狙われるので専任の射手にはならん方が
いいぞ!そもそも、移動の時重いし。傭兵に行く時は要注意だッ(笑)!

オススメ:大戦中のこの手の兵器に詳しいサイト"Panzerfaust"



  


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